2月4日(月)に【co-ed Cafe vol.24 「ICT教育を考える〜情報モラルとデジタルシティズンシップ〜」】を行いました。
 今回は講師の方をお迎えしました!!

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香川雄亮(かがわゆうすけ)先生                     八王子市情報教育推進委員
GEG(Google Education Group) Hachioji 共同リーダー
八王子市立第五小学校主任教諭

 会の前半では「GIGAスクール構想」について、後半にはアメリカの小学校で実際に行われているデジタルシティズンシップのワークショップを行っていただきました。

目次

  1. ■GIGAスクール構想
  2. ■デジタル・シティズンシップ 
  3. ■今後大切な考え方

■GIGAスクール構想

 子どもたちの学び方、興味関心は多岐に渡ります。そんな子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」と「個別最適な学びと協働的な学び」を実現可能なものにするのが「GIGAスクール構想」です。
 時間や空間を問わずに音声・画像データを蓄積・送受信できること、距離に関わりなく相互に情報の発信・受信のやり取りができることなどがICTの特性であり、強みであると言われています。
 これらを教育に持ち込むことで一人ひとり「違う」子どもたちに学び続ける力や創造する力を養うことができる、ということです。


ただ、現状は

・教員間でのICTを用いる上での温度差
・情報モラル、リテラシーをどのように育むか
・整備や危機管理

といった課題も山積しているそうです。
 そこで、コエドカフェの後半では「情報モラル」と「デジタルシティズンシップ」に話題を移すことにしました。

■デジタル・シティズンシップ

 

 みなさんは、次の写真を見てなぜこの写真がこのように加工されたと思いますか?

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    【引用:コモンセンスエデュケーション(Common Sense Education)】

 これは実際に香川先生に行っていただいたワークの中で出た参加者のみなさんへの質問です。

 様々な解が思い浮かびそうですが、解答それ自体はデジタルシティズンシップの9つの要素のうち「デジタル・フルーエンシー(情報に対する適切な判断と活用、情報評価能力)」に該当します。

 そもそも「情報モラル教育」と「デジタル・シティズンシップ」の違いはどこにあるのでしょうか。香川先生によると以下のように分類できるということです。

●情報モラル教育:定まった行動規範やルールを教えて徹底する、というように態度や考え方の理解にとどまる。
●デジタル・シティズンシップ:行動の善悪を自分で判断できる力を身につけさせる。

 デジタル・シティズンシップの考え方はオンラインで避けるべきことを重視するのではなく、オンラインで何をすべきかを重視しています。

 今の学校現場のICTに関する現状からすると、デジタル・シティズンシップの考え方に振り切るのはリスクがあるようにも感じますが、学習指導要領にも記載されているいわゆる「生きる力」を子どもたちに育んでいくためには「情報モラル」の考え方だけでは、到底物足りないように思います。

■今後大切な考え方

 コエドカフェの最後に香川先生からICTに関するこんな言葉をいただきました。

「『〜しない』というwithoutの考え方ではなく、生涯付き合っていくというwithの考え方を大切にしていきたいですね」

 1人一台タブレットを配布された今、ICT機器は子どもたちにとって切っても切れない存在になりました。
 そうであるならば、ICT機器を子どもから遠ざける方法を考えるのではなく、どうすれば一緒にポジティブな方向に進んでいくことができるのかを考えていきたいものです。

 最後になりましたが、参加していただいた皆様、香川先生、遅くまでありがとうございました!!!

 

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【執筆者】Nishi Masa
小学校教員(11年目)/免許は小学校全科・中学校高校英語・幼稚園/「授業づくり」は「学級づくり」/自立した学び手を育てるために日々奮闘中/「一斉授業」から「ワークショップ」への転換/weclip「共育」事業/2児のパパ/お弁当担当/サッカー大好きおじさん